年少までは、ひとり遊びが多い時期ですが、年中になると、子ども同士の遊びが上手にできるようになってきます。また、仲良しの子や小さなグループができて、いつも同じ子たちと遊ぶことも増えてきます。
息子が4歳のとき保育園で、よく遊ぶ仲良しの子ができて、「今日もBくんと戦いごっこした」と話してくれていました。
それが突然、「Bくんが遊びにいれてくれない!」と言って、ショックを受けている様子。
「え、4歳なのに、もう仲間外れがあるの!?」と驚いたと同時に、「喧嘩でもしたのかな」「それともいじめ?」など心配になりました。
保育園ではどのように対応しているのでしょうか。今回は、「仲間外れ」が起こった時の保育園の対応と、親ができることについて、実際に保育士さんにお話を伺いました。
「仲間外れ」保育園ではどう対応しているの?
絵本で、こころの学びに繋げる
「仲間外れはダメなことだよ」と教えることも大切ですが、ダメなことをダメと伝えるだけだと、子どもは「なぜダメなのか」が分かりません。
かといって、なぜダメなのかについてキチンと説明しても、「よく分からない」というのが子どもの本音。
一番分かりやすくお話しできるのは、絵本の読み聞かせです。『くれよんのくろくん』や『ゾウは おことわり!』など、優しくてかわいいイラストで、楽しみながら「仲間外れ」について学ぶことができます。
クラスでお話の時間をつくってみんなで考える
絵本を読んだ時には、「仲間外れ」って悲しいな、ダメだなと思っても、それだけでは対応が難しいことが多くあります。そんなときは、みんなで一緒に考えることが大切です。
「いれて、って言ったけど、遊ばないって言われたら、みんなはどう思うかな?」と直接みんなに語りかけて、思い思いの意見を聞いてみます。
すると、「悪いことだけど、今は他の子と遊びたいってときもある」という意外な意見が聞けることも。「なるほど、そういうこともあるんだね。じゃあ、言い方を変えてみようか」など、意見に対して適切な対処が見つかることもあります。
我が子が「仲間外れ」にされたら、親として何ができるか
感情に寄り添って話を聞く
子どもが話してくれるようであれば、そっと話を聞いてあげましょう。そのとき、解決策を答える必要はありません。ただ、話してくれることに耳を傾け、「そんなことがあったんだね」「悲しかったね」「一緒に遊びたかったよね」など、感情に寄り添った言葉をかけましょう。
このとき、「Bくんって嫌なやつだね」など、仲間外れにする子を悪く言うのはNGです。お子さんは、仲間外れをする子が嫌いなのではなく「一緒に遊びたい」「一緒に遊ぶと楽しい友達」と思っています。
自分にとって、楽しく遊べる友達を大好きなママに悪く言われると子どもの気持ちはどうすればいいかわからず、より悲しい気持ちになってしまいます。
子どもの気持ち以上に介入しない
我が子が仲間外れにされていると思うと、いてもたってもいられなくなって……という気持ちは、とてもよく分かります。
しかし、だからといって、過剰に反応したり、「仲間外れは絶対にやめさせなくては」と、子どもの関係に介入しすぎるのはNGです。
「ママは大袈裟だから嫌だな」「先生や友達のママに言われて、目立ちたくないな」などと考えて、次からママには言わないようにしようと思われてしまうことも。
そうなると、本当に困ったときに適切に手を差し伸べることができない可能性もあります。
4歳(年中)頃の「仲間外れ」は好き嫌いではない
〈執筆者後記〉
まだ生まれてから4年。経験値が低いことはもちろん、まだまだ成長段階。子どもたちは互いにぶつかりながら、人との関わり方や人を思いやることを学んでいきます。
4歳頃の子どもの問題は、子ども同士で解決できることが大半です。むしろ、問題は問題解決策を学ぶいい機会でもあります。
問題を解決してあげようと思うのではなく、「悩んだとき、悲しいとき、どんなときでも味方になってくれる良き理解者」になることがママと子どものベストなのかもしれません。